2012Xmas─1

2012年12月24日 23:45

なんとか間に合った~(汗
クリスマス&キョーコ誕生日SSです。
短く切ったりしたので全部で3話になりました。
残りは25日が30分位過ぎた頃にUP予定です。

2012Xmas─1





リビングのテーブルの上には小さなツリーが飾られている
彼女の趣味らしい妖精や雪だるまなどの可愛いオーナメントがぶら下がっていて
なんとなく参加したくなった俺は
今日手に入れて来た、スワロフスキーの星の形をしたものをひとつ、足してみた
ツリーの横には片手を上げて挨拶してるようなサンタのキャンドルが置いてあり
それは独りでTVを見ている俺を慰めているかのようで、思わず苦笑した

「ちょっとだけですけど……雰囲気だけでもいいかなぁと思いまして」

そう言いながらこれらを用意していた彼女はどこか楽しそうだった
来年はもっと本格的に飾ってもいいんじゃないかな
TV画面の向こうにいる彼女に、そう心の中で語りかける

クリスマス・イブも残り十五分
俺の目に映るのは赤い衣装を身に纏った鶏の着ぐるみ
ゲストの女の子達の数が多く、生放送されている番組の中は放映終了間際で大騒ぎだ
内容をちゃんと聞いていなかったので話の流れがわからなかったが、床に突っ伏した鶏に女の子達が駆け寄っていてスタジオには笑いが起きている
動かない鶏を背景にしてエンドロールが流れ出す
笑顔と笑い声で溢れているバラエティ番組のラストを
俺は食い入るように見つめていた

***

仕事のせいで彼女が今日のパーティに参加できなくなったをマリアちゃんは本当に残念がっていた
彼女が参加しないのならと、パーティの主催から外れたマリアちゃんは
社長の派手すぎるパーティの演出に少し引いていて
自分の誕生日の祝いの場でもあったのに引き攣った笑顔で祖父の様子を眺めていた
おそらく彼女に何か言われたのだろう、渋々と参加している様子の彼女の親友は
顔を出したのだからもう義理は果したとばかり、常に帰宅するタイミングを計っている
俺のマネージャーは飄々とした様子で会場の隅に陣取り
華々しく繰り広げられる様々なショーを尻目に、俺の様子を窺ってばかりいた
そうして、催し物の切り替えのタイミングで俺たちはパーティから離脱する
それぞれが、社長に見つかったら叱られてしまいそうなノリの悪さだったが
帰り際、一番ダメだったのは俺だと全員一致で言われたのには少し参ってしまった

「え……そ、そうでしたか?」
「仕事してる時と同じなんだもん。似非紳士スマイルふりまいて……その上、人の話全然聞いてないし」
「一見わかりませんから誰も気が付いていないと思います。でも、あれだと返って女性が寄ってきますよ」
「蓮様! 私はお相手がお姉様だからこそ涙を飲んで身を引いたんです! お姉様以外の女性と親しくするなんて認められませんわ!」

先輩、後輩、年齢、何もかもが関係なく、なぜか立場が一番弱い俺は
三人それぞれに細々とお説教をくらった後、一人いつもの車で帰路につく
スムーズに帰れるようにと、パーティの間中、手にしていたグラスに一度も口をつける事はなかった

***

画面がCMに切り替わり、俺はぼんやりと小さなツリーを眺めていた
お互い仕事をしているのだから、どんな記念日でも必ず一緒に過ごせるとは限らない
今年は大人しく俺が部屋で彼女の帰りを待とうと思っていたが
どうしても我慢できずに
車のキーを握り、ソファから立ち上がった



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