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Cutie Honey─1

2012年11月21日 14:06

小ネタです。微妙に長くなって全6話です。
すごいいつも通りな蓮キョですがwよかったらどうぞです~



Cutie Honey─1




扉を開ける音が聞こえ、誰かが近づいてくる気配を感じた
瞼を開けるまでも無く、それが誰かがわかる

「敦賀さん」

いつものベッドの感触
耳元で聞こえる彼女の声
柔らかく優しい物だけで構成された幸せな世界
居心地が良すぎて、そこからなかなか抜け出す気になれない

「敦賀さん……おはようございます」

再び呼ばれた俺の名前
彼女に起こしてもらうのは久しぶりだ

「ん……」
「あの、時間が……携帯、さっき鳴りましたよ」
「あぁ……うん……起きるよ……」

囁くような彼女の声が耳に心地よい
このままずっとまどろんでいたい気持ちをなんとか押さえ
俺はようやく目を開ける事にした



****



二週間近く続いてるハードなスケジュール
一つの仕事のトラブルやアクシデントが全ての予定に影響を及ぼした
調整に毎日必死な様子のマネージャーの姿を見ると文句を言う事も出来ないのだが
さすがに少し疲れを感じていた
忙しいのには慣れてるとはいえ、俺も不眠不休で働く事はできないし
少しでもいいから休めるようにと合間を見ては帰宅した
早朝、深夜、時には真昼間に、予告もせずにふらっと帰る
出先で仮眠する事もできたのだが、多少休む時間が減っても帰りたかった
一緒に暮らしているというのに彼女と言葉を交わす事さえままならなかったからだ

でも、彼女にも彼女の都合がある
何度も不意打ちで寝ている彼女を起こす事はできないし、いない時もあるのを責めるわけにもいかない
絵に描いたようなすれ違いの日々
おはよう、おやすみといった
当たり前の軽い挨拶までメールでやりとりする状態だ

「違う方向で倒れられても困るしなぁ……今日は帰っていいよ。明日、朝早くなっちゃうけど」
「大丈夫です……帰りたいです」

早朝からの撮影がある仕事
前日のうちに現地のホテルへという話もあったが
俺のたっての希望でその夜は帰宅した
そのまま出掛けてしまえば、次の日、その次の日も家には帰れない予定
マネージャーの言うとおり、身体よりも心が倒れそうだ

ぎりぎり彼女が起きている時間じゃないかなと思い
電話をする暇さえ惜しんで部屋に飛び込んでみれば
部屋の奥からパジャマ姿の彼女が飛び出してきた

「敦賀さん! おかえりなさい!」
「……ただいま」

期待していた以上にニコニコと明るい笑顔で出迎えられ
俺の顔はあっという間に緩んでいく
一刻も早くベタベタしたい俺の気持ちを察しているかの様に
駆け寄ってきた彼女は嬉しそうな表情で俺の腕にくっついた

「今日からもう泊まりになったのかなって」
「明日の早朝出発になったんだ」
「そうでしたか」
「もう寝てしまったかなって思ってた」
「今日はちょっとだけ……夜更かししてたんです」

そう言って笑う彼女の顔はなんだか得意気だ
もしかしたら俺の必死すぎる気配が思い切りバレていたのかもしれない

「起きててくれてよかった。今日も寝顔しか見られないのかなって思っていたよ」

今夜のこの帰宅が彼女の就寝に間に合わなかったとしても
無理矢理起こしてしまおうなんて考えていたくせに
咄嗟にそんな事は微塵も考えていなかった風を装った
プライベートなら役作りも一瞬だ

「早朝……何時に出発ですか?」
「夜明け前位」
「えぇっ」

正確な時刻を言えば驚くかなと思い、曖昧にしてみたが
あまり効果はなかったらしく、彼女は俺の言葉を聞いてびっくりした顔になった

「よ、夜明け前に起きるのではなくて出発するんですよね? もうそんなに時間ないですよ?」
「少し眠れればいいんだ」
「あれっ、じゃあ移動は車ですよね? そんな、疲れてる上に睡眠不足で運転はっ」
「大丈夫」

あたふたと妙に慌てている彼女をぎゅっと抱き締めてそう呟いた
睡眠不足というよりは君不足
俺が帰って来たのを見て、見せてくれた笑顔は
ずっと思い描いていたものより遥かに可愛かったから
かなり回復して来た気がする

すぐにでも押し倒してしまいたい気分になったが
彼女から風呂上りの石鹸の香りがして少し我に返る

「俺もシャワーを浴び」
「ですよね! 早く眠らないと!」

彼女に急かされてシャワーを浴びた後
すぐさま、いつもの寝室へと手を引いて連れ込まれた
俺をベッドに押し込み、手際よく毛布を掛けた彼女は
まるで子供を寝かしつけるかの様に上から軽くポンポンと俺の身体を叩くと
一仕事を終えたとばかりに手で額の汗を拭い、満足気だ

子供っぽい所があるのは多少自覚しているが
残念ながら身体は完全に大人だから
今は子守唄を歌ってもらっても眠れそうにない

邪な気持ちは眠そうな表情で隠し切る
そっと手を伸ばしておやすみのキスをそれとなく要求してみると
彼女は照れ臭そうにしながら俺に近づいてきた
気取られないよう細心の注意を払い、彼女が射程園内に入るのを待つ

「きゃ」

あっさりと俺に捕まってしまった彼女は
そのままベッドの中に引き擦り込まれて俺に圧し掛かられる
身動きが取れなくなってジタバタする様子さえも可愛いなと思いながら
その白い首筋にかぶりついた

「つ! 敦賀さんっ、ダメです、ダメっ! ちゃんと眠らないと!」
「このままじゃ眠れるわけがない」
「そんな事言ってもダメです! ただでさえお疲れなのにっ」
「大丈夫。元気元気」
「う、嘘ばっかり」
「嘘じゃない」

強行したおやすみのキスを始まりのキスに変え
彼女のパジャマのボタンをするすると外していく
柔らかな白い肌の感触で理性は瞬く間に溶けていき
粘り強く抵抗を続ける彼女の小言は何一つ耳に入ってこなかった



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