書き逃げプチ妄想。

2011年03月01日 19:49

いろんな設定を吹っ飛ばして(笑)なんか書いてみました。
次号が出るまでの命って気もしますが、続きが待ち遠しくて仕方ないので、そのはけ口といった感じで←ちょw
全然続き妄想じゃないんですが、そんな感じの小話をおひとつ!
書き逃げです、すいません(逃走

俺を見ると狼狽える。
視線は絶対合わせない。
無視される事はないけれど、どこか様子が落ち着かない。
そして会話は必要最低限で、そそくさと行ってしまう。
さりげなく避けられているような気さえする。



(一体……何があったっていうんだ……)

いつも通りの"セツ"がキッチンで夕飯の後片付けをしているのを眺めながら俺は一人彼女の変化に頭を悩ませていた。
いつも通りすぎるセツ。
「素」の彼女とのあまりの違いが、俺を"カイン"から敦賀蓮に戻していく。

ホテルの一室に二人きり。
居るのは"セツを演じている最上キョーコ"と、カインではない"敦賀蓮"。
最も危惧していたこの状況を、招いたのは彼女だ。
このままでは"仕事"に支障が出る、という俺の勝手な理由で、キッチンから戻ってきた彼女を俺は問い詰める事にする。

「なっ! なんにもありません! そ、そんなの言いがかりですっ!」
「言いがかり……?」
「そうです! なにもないんですからっ」

そう言って俺から離れようとした"セツ"の、髪をポンと掴んで取った。

「きゃ! な、なにを」
「俺は最上さんと話をしたい」
「なっ……なっ……」

いつものショートカットになった彼女は慌てて俺からセツの必需品を奪い返そうとするが、そうはいかない。
ここぞとばかり身長を生かし、彼女の手から逃れた後、今度は必死に俺に向かって来る彼女の目の前に自分の顔を潜り込ませた。

「ひゃっ」
「で? 何があったのかな……」
「……っ」

俺と視線を合わせた彼女はたちまち真っ赤になって固まった。
が、すぐにプイと横を向く。

「なんでもありません」
「…………」

ここが事務所や、他の公共の場なら、君は俺が止めるのも聞かず、このままさっさと行ってしまうんだろう。
でも今は密室で二人きり。
君と俺以外は誰もやって来ない場所だ。

横を向いていた彼女の顔を乱暴にこちらへ向かせた。
避けられ続けてかなり追い詰められていた今夜の俺は抑えが効いていない。
驚いた彼女は目を丸くして俺を見た。
俺がその瞳を探る様に覗き込んでいると、彼女は俺の手を振り払い、泣きそうな顔で下を向いてしまった。
今にもどこかへ逃げそうな気配があったが、そこはしっかりと押さえておく。

「なんでもないんですっ……」

君が頑固なのは知っている。
でも、嘘をつけないのも知っている。
なんでもないと言いながら、俺を意識している君の態度。
俺が気づかないとでも思っているのか。

待ち過ぎて、学習能力ばかりが発達してしまった俺は気づくのにかなり遅れたけれど──

再び、今度は両手で彼女の顔を包み、俺の方を向かせる。

なんとも思っていない男をそんなに切ない瞳で見ないだろう?
嫌っている男の前で、そんな風に頬を薔薇色に染めたりしないだろう?
嫌いじゃないのなら、なんでもないのなら──妙に避けたりしないだろう?

全部、俺に都合のいい解釈だとわかっている。
でも、俺にはそうとしか考えられない。

「つ……敦賀さ……」

彼女の頬がどんどん熱を帯びる。
落ち着かない視線。
少し震える身体。

「最上さん」

告白する場所として、ここは最悪だね。
俺を止めるものが、ここには何も無い。
俺の頼りない理性と、ついこの間までの君がその役目を果たしてきたのに、もう、どこかへ行ってしまった。
これから君は少し痛い目を見るのかもしれないけれど、それは後で俺自身が全力でフォローするよ。

だから、誰にも奪われないうちに
その感情が消えてしまわないうちに


「好きだよ、最上さん」



合わせた唇は夢に描いていたものよりも熱かった。



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