00.prologue

2010年05月01日 19:00

■■■ GW緊急プチ企画 ■■■

お題でリレーSS★2010GW Version!
------------------------------

jugoyasoの紫苑さんと
Someone's delusionのKanamomoが
お送りするリレー小説☆

内容や展開についての事前打ち合わせ一切ナシ!
相手のお話を受けて、お題に沿ったSSを1話ずつ
交代で綴ります。00~05の全六話で完結。(の予定w)

担当SSの更新はそれぞれのブログでのみ行いますが
先方SSがUPされたらこちらでもお知らせ致します。

どんなお話になるか、書いてる本人たちも予測できてません(笑)
己の限界にチャレンジだ!それいけ妄想界の住人達よ!
それでは蓮とキョーコのLove storyをお楽しみください!

------------------------------

【お題】たとえば、ね

00.prologue [by Kanamomo] 5/01Up
01.たとえば、世界に君と二人だけだったら [by 紫苑] 5/02UP
02.たとえば、隣に君がいなかったら [by Kanamomo] 5/02UP
03.たとえば、過去に戻れるとしたら [by 紫苑]
04.たとえば、未来へ行けるとしたら [by Kanamomo]
05.たとえば、この温もりが消えてしまったら [by 紫苑]

------------------------------
【お題提供:F-9

00.prolouge




「だ、だめです、敦賀さん……こんなところで」
「大丈夫……誰もいないよ?」

雑然としたスタジオ内のセットの隅。
会う時間がどうしても普通の恋人達よりも少なく限られている二人は、偶然の出会いを濃密に過ごしたがる。
出会った事がもう開始の合図。
一応、人影を気にして少し奥に引っ込んだ蓮は、少し躊躇うキョーコの腕を掴んで、するりと引き寄せる。

「こうでもしないとなかなか逢えないし……寂しいよ」
「最近またお忙しいですね……?」
「うん……ちょっとね」
「お食事には気をつけてくださいね……?」
「…………」
「あっ、また疎かにしていませんか?」

胸元で微かに動くキョーコの唇とその暖かさを感じていた蓮はふっと少し笑みを零す。
追求するようなキョーコの言葉を阻止するかのように、蓮は壁際に押し付けるようにしてその唇に深く口付ける。

「んっ……」

一度離れて、キョーコの口から漏れる甘い吐息を味わった後、再びその唇に戻る。
少しずつ大胆になる蓮に合わせるかのように、キョーコも蓮の首に両腕をまわした。
まるで自分から蓮を引き寄せているような、そんなささやかなキョーコの反応に気をよくし、蓮の手はキョーコの肩から指先までをなぞる様に移動し、最後に指を絡ませた。
きゅ、と強く握り合った瞬間に身体の奥で何かが疼く。
蓮の頭の中で小さな警告音が響き、それと同時に微かに聞こえた物音に、そろそろ切り上げないとマズイな、と思う。
それでも離れがたく、部屋の外で行うには少し行き過ぎたキスに夢中になる二人を叱るように蓮の携帯が鳴った。

「……残念」
「も、もう……」

薄暗いセットの隅にどこからか差し込む細い光を浴びた部分だけ、キョーコの顔が淡い薔薇色に染まっているが見える。
恥ずかしそうにキョーコが顔を少し横に動かした瞬間に濡れた唇も目に入り、蓮は携帯を鳴らした相手が社だと確認すると素早く強引に切り、もう一度キョーコの唇を奪った。

「ふ……」

短い時間を覚悟したキスはさっきよりも強く乱暴で、貪る様にキョーコの唇を味わった蓮はようやくキョーコから離れると、名残惜しそうに手を上げて立ち去っていった。
キョーコは一人その場に残り、火照った頬を覚ますために手で自分の顔をパタパタと仰いでいたが、しばらくして胸に手を当てて小さく息を吐くと、どうしても緩んでしまう顔を必死に抑えながら、周りを気にしつつ、セットの隙間から抜け出した。



そんなやり取りを交わす日々の中、仕事の短い空き時間に、蓮はLMEの社長室に呼び出されていた。

「おー、来たか。お疲れさん、色男」
「なんですか、開口一番」
「少し位嫌味を言ったっていいだろうが。お前の尻拭いやってんだ」
「えっ?」
「さっそく噂がたってるぞ、お前が誰かと付き合ってるってな」
「…………」
「やーっとうまくいって嬉しいのはわかるけどなぁ。今はまだ公表すんのは早いだろう?お前はどうでもいいとして最上君は心配だ」
「俺はどうでもいいんですか……」
「お前はいい大人だし、男だろ、どうでもいい。でも最上君はまだ若いしこういう事は女の方が叩かれやすいんだ。ましてや相手がお前じゃな」
「…………」
「まぁラブラブなのは俺的にはいいんだけどな?とりあえず噂は徹底的に潰す。マスコミ関係だけだけどな」
「はい……すいません」
「まぁこそこそすんのは俺も好きじゃねえんだが……もう少し自重しろ」
「はい……」
「別に逢うのもやめろって言ってんじゃねえのに、なんだその顔は」
「いや、別に」
「なにが、いや別にだ。一応最上君にも話だけはしてあるぞ、お前が人目のあるところで強引に迫ってきたら蹴ってやれって」
「あ、あのですね」
「なんだ」
「い、いえ……なんでもないです……で、彼女は今いますか」
「んー?今、ちょっとラブミー部の仕事で出てもらってるが」
「ラブミー部…」

そういえばまだ彼女はラブミー部として活動している。
でも、もうそろそろいいんじゃないだろうか。
そんな考えが蓮の脳裏をかすめた。

「彼女は……いつまでラブミー部なんですか?」
「ん?お前とラブラブだしもういいんじゃないかってか?」
「はぁ……まぁ……」
「まぁ卒業も考えてやらんこともないが、どうせなら最後まで面倒みてやりたいと思ってな」
「最後?」
「まぁ、今は気にするな。俺は実際ラブミー部もいい隠れ蓑になってるかと考えてるんだがな」
「え?」
「お前と最上君の事は事務所内だって一部の限られた人間だけしか知らねえ事だぞ。それなのに好きな人ができました、卒業します、とか俺に大々的にやらせる気か」
「大々的にやらなくてもいいじゃないですか……」
「やりてぇんだよ、大々的に。待ってやってるんだぞ、その時が来るのを。今はお前ら二人を暖かく見守ってやろうという親心が理解できんのか」
「親心…ですか」
「そう言ってあるからこそクーだってこっち飛んで来たりしてないだろ?」
「へっ」
「お前と最上君がうまく言ったっていった時はもうすぐにでも飛んでくる勢いだったんだが」
「いつの間に……報告したんですかっ!」
「すぐに。今はまだ秘密な関係だから、堂々と発表できるようになってから来いって言ってある」
「そっ……」
「覚悟しておくんだな、堂々とできるようになった時の事をな」
「………」
「俺は今からいろいろ考えてるぞ。断ろうったってそうはいかねえからな。それまでは噂つぶしでもなんでもしてやるからまぁ心配するな」

そう言った後、若干青ざめた顔の蓮をよそに、社長は豪快に笑っていた。



「つ、敦賀さん…?敦賀さん!」
「えっ」

久しぶりに蓮のマンションにキョーコが来た夜、幸せな時間を過ごして眠ったはずなのに、蓮はうなされて深夜にキョーコに揺り起こされた。

「なんだかひどくうなされていましたよ?大丈夫ですか?」
「あ……いや、大丈夫」

蓮はゆっくりと起き上がると、横で心配そうに自分を見つめるキョーコをぎゅっと抱きしめ、今見た悪夢を振り払うかの様にそっと囁いた。

「二人だけの世界にでも行きたいね……」
「えっ?」

突然、思っても見なかったような蓮の言葉を聞いて、キョーコは少しびっくりしたような顔で蓮の顔を覗き込んだ。
蓮はそんなキョーコに気づいて慌てて優しく微笑みかけると
「ん……なんでもないんだ、起こしてしまってごめんね?」
そう静かに言うと、再びキョーコと一緒に夢の世界へと落ちていった。




コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)